部屋に戻るとジョーはまだ夢の中でして。
彼にあげられるものはもう何もないので
私は静かに荷物のパッキングを始めました。
少しすると
ジョーの目覚ましが、かわいい音をたてて鳴りだした。
ムーン…と言いながらジョーが目を覚まし、
ピッピコ ピッピコ鳴っている目覚ましをごそごそ探している。
なかなか見つからず、
目覚ましはピッピコ鳴り続けている。
私は、おはようと挨拶をした。
やっと目覚ましを見つけ、音を消すと
「グッ…モーニィン…」とジョーは返してきた。
まだとても眠そうだ。
今日チェックアウトをすることを伝えると
これからどこへ行くのかと尋ねてくるので、
メーサローンへ行くことを伝え、しっかりと握手をして
お互いの旅の幸運を祈って、私は荷物を背負った。
部屋を出ようとすると、
ジョーがベッドから立ち上がり
見送ってくれた。
私が部屋を出て、ドアを閉めるとすぐにガチャッと鍵を掛ける音がした。
うん、やっぱり見送るってゆうか鍵を掛けて二度寝したかっただけだよね。
チェックアウトを済ませ、宿を後にする。
重い荷物を背負って、バスターミナルまで歩いて行く。
今日も暑くなりそうだ。
事前の情報だと
メーサローンに行く為にはまず、
メーサーイ行きのバスに乗り
バーン・パサーンという場所で途中下車し、
そこから乗り合いタクシーで向かうようだ。
少し気になることは
その乗り合いタクシーは人数が集まるまで出発しないらしく、
何時間も待つこともあるらしい…。
そんなに多くの人がメーサローンまで行くのか少し疑問だったが、
まぁ時間だけはたっぷりあるので、ゆっくり行こうじゃないかと。
でもね
やっぱり行き当たりばったりって良くないんじゃないかと思って。
昨日チェンラーイからバーン・パサーンまでのバスの事を
調べようと思ったんですよね。
できる男は違うぜという所を見せちゃおうかなと。
ここチェンラーイにはですね
市内の中にあるオールドバスターミナルと
市内から車で10分程行ったところにあるニューバスターミナルという
2つのバスターミナルに別れてまして。
私、歩くという手段以外持ち合わせておりませんので
昨日はオールドバスターミナルまで歩いて行ったんですよね。
窓口のオッサンに
「どっちかっていうと私できる男なんでね。
明日のチケットのこと聞きたいんですけどね。」
と聞くと、オッサンに
「知らん。チケットの事はニューバスターミナルで聞いてくれ。」
と投げやりに言われまして。
じゃあここのバスターミナルは何の為に存在してんすか?
ってゆう疑問はさておいて。
チケットの事を聞く為だけにわざわざタクシーに乗って
ニューバスターミナルまで行くのが面倒くさくなっちゃって。
すぐ諦めましたよね。
やっぱりトラブルを楽しんでこそ旅人じゃないかと。
できる男は切り替えも早いぜと。
あのね
バスターミナルが2つあるとかね、場所が離れてるとかね、
もうね、嫌がらせすか?としか言いようの無いシステムになっております。
つづく