係員が用紙を確認し、ホチキスで留めると
用紙とパスポートが窓口から出てきた。
そして、英語で何かを言い始めた。
でも、
何を言っているのかあまり理解ができないんですけど。
つーか、よく聞こえん。
多分、
「一週間前に提出したテレックス用紙を大阪に送ったが、
その返事が来ないからビザは出せない。」
「今日もう一度テレックスを大阪に送るから金曜にもう一度来い。」
と言うことらしい。
ですよねー。
やっぱスムーズとかって、無いですよねー。
いやーでも今日ビザ欲しいんですよぉ。
と言いながらもう一度用紙とパスポートを窓口に入れる。
「 impossible 」
と係員が無表情で言い、用紙とパスポートが出て来る。
てゆーか、なんでテレックスの返事来ないの?
「 i don't know. 寝てんじゃない? 」
いやいやいや。
その後、何度も確認したけど
「とにかく、金曜にもう一度来い。」
ということだけは揺るがない事実らしく、
本当は私のテレックス用紙送り忘れてたんじゃなーいの?
ってゆう疑問もあったけど色々整理したくて一度窓口から離れた。
すかさず後ろに並んでいた白ヒゲのおっさんが
用紙とパスポートを窓口に突っ込んだ。
窓口のそばで頭の中を整理していると、
ネパールのビザも残り少ないことに気づいちゃったわけで。
戻ってきたパスポートのネパールビザが貼られたページを開くと
今週の土曜でビザが切れることになっていた。
金曜にビザが取れるなら大丈夫か。。。
いや。
今いるカトマンズからインドとの国境の町スノウリまでは
確か、夕方発のバスで次の日の朝着くはず。
金曜の夕方に出発して、土曜の朝に着くのか。
ギリギリすぎるでしょ。
つーか。
金曜の夕方にビザが取れたとして、
その足でバスパークまで行ったとして、
果たしてバスはあるのか。
もし無かった場合、不法滞在することになるのか。
そういえば
バクタプルでお世話になった宿のオーナーが
ネパールは1日くらいなら大丈夫と言っていた。
なんで?
むしろ、パスポートのビザの日にちを
自分で変えちゃえば良いとか何とかフンフン言っていた。
なんで?
でもやはりトラブルの元になることは少しでも減らしたい。
しかもネパールではバンダというデモがときどき起き、
バンダが起こるとバスやタクシーは休みになる。
もし金曜がバンダだった場合、確実に間に合わない。
ネパールのビザを延長すれば良いだけのことだが
ビザの延長は最低15日からで料金は、US30ドル。
10ルピー(10円くらい)安い水を買う為に
30分歩いて遠くのスーパーまで通っている私にとって30ドルは痛い。
そもそも金曜にビザが確実にもらえる確証はあるのか。
もう頭の中がカオスになってきたので
とりあえず、白ヒゲのおっさんの後ろに再び並んだ。
今日、ビザもらおう。
と。
朝、頑張ろうと決めたじゃないか。
と。
頭の中で言いたいことを英語に変換していると
警備員のおっさんが声をかけてきた。
「どうしたんだ。」
ビザがもらえないことを伝えると
警備員のおっさんは私の用紙とパスポートを確認し始めた。
「ジャパニーズか?」
その辺のネパール人と同じ様な質問をされ、
そうだけどと答えると
「大丈夫だ。6ヶ月ビザ、取れるぞ。」
と。
いや、でも窓口の人は無理だって言ってるんだけど。。
と言うと
「大丈夫だ!」
なぜか警備員のおっさんは自信を持って大丈夫だと言い切った。
根拠は全く分からないが、警備員のおっさんのオッケーをもらい、
少しだけ安心した。
まだ私の前では白ヒゲのおっさんと係員がやり取りをしていた。
その間に言いたい事を英語に変換して、
係員に言えるように頭の中で唱え続けた。
少しすると、白ヒゲのおっさんが満足そうに窓口から離れて行った。
そして、再び私の前に係員が現れた。
用紙とパスポートを窓口にねじ込み、今日ビザが必要なんだと伝える。
すると係員は、渋い顔をしつつも用紙とパスポートを受け取り
パソコンをカチカチしだした。
あれ。伝わっちゃったかしら…?
と一瞬思ったが、すぐに用紙とパスポートが窓口から出て来た。
「無理だ。」
ネパールのビザも残り少ないんだと言って再びねじ込む。
係員はパスポートを開き、ビザの期限を確認し始めた。
「金曜ならまだ大丈夫だろ。金曜に来い。」
用紙とパスポートが出てくる。
いやいやいや。
だからさぁー、色々さぁー、あるじゃんかー。
もーーーなんで返事こないの?
「 i don't know. 寝てんじゃない? 」
それはさっき聞いた。
あ。じゃあさ、テレックス送った大阪に電話して確認することできる?
用紙とパスポートを突っ込む。
「無理だ。」
用紙とパスポート出てくる。
金曜だったら絶対ビザもらえるわけ?
「さぁ?」
・・・・・・。
言い尽くした後はお互い見つめ合う感じになっちゃって。
途中で笑いそうになったけど、笑ったらビザもらえなくなると思って
ごまかす為にプリーズ…とか言ってみたり。
でも、引き下がる気は無かった。
「あーーーもう俺の負けだわ!ガッツのあるジャパニーズだな!」
つづく
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