2011年4月27日

そっち系


ラオスへはビザが無くても
入国できるんですけど。
15日間だけだかんねっていう
期限付きだったりして。

15日の間にラオスを縦断して
中国へ抜ける予定だったんですけど
もう全然無理。

半分くらいまでしか行けなかった。

なのでメコン川を渡って
またタイに戻ってきちゃった訳で。

ナコンパノムという町で仲良くなった好青年。
話し方や仕草が妙にかわいらしかったので
そっち系すか?って聞いてみたらゲイでした。

ゲイの人に偏見とか無いですけど
デット島で泊まっていた宿のオーナーもゲイで
私、ガチで迫られるという貴重な体験をしてまして。

ちょっとだけゲイの方に対して
ナーバスになってましたけど
とても良いやつでした。

年齢は34歳なんだけど
25歳くらいに見えるねって言ったら

「やだぁ~。ホントにぃ?う~れ~し~い~。」

みたいな。

彼はかき氷屋をやっていて

「私の店ってビューティフルでしょお?」
「写真撮ってもいいわよぉ~」

って言うから、

確かに店もキレイだけどね、
俺はオマエを撮りたいんだよっ

ってカメラを向けたら

「ちょっとぉ!ヤダァ~!」
「今日シャワー浴びてないしぃ~」

シャワーがなんぼのもんじゃいと思ったけど。
むしろシャワーなんか浴びなくt…ゲェホッ!ゲェホッ!

カメラを向けている間ずっと手で顔を隠して
全然撮らせてくれなかった。

トップ画像は
ゴメンもう諦めるわーって言って
ファインダーから目を離すふりをして
シャッターをきりました。

パンチラではなくゲイを盗撮するっていう。

かき氷をごちそうしてくれたんだけど
私は観光客だし、これはあなたの仕事だしね
やっぱりお金を払うよって言っても
受け取ってくれなかった。

次の日、店に行っても彼に会えず
町を去る日、バス停に行く前に店に寄って、
手紙とお金をスタッフの人に渡しておいたら
バス停までわざわざ来てくれて
お金と、なぜか手紙も返却されました。

逆に何に使ったらいいのか分からない
微妙なサイズ感の小物入れをくれた。

バスが動きだし
センチメンタルに窓から外を眺めていると
スピーカーから、それはもうイケイケな
タイポップが大音量で流れ出し、
全てを破壊してくれたけど。







バス停まで来てくれた時も撮らせてくれなかった。
どんだけシャワー大事なんすか。

2011年4月24日

ハッピーニューイヤー


あけましておめでとうございます。

リアルタイムじゃなくてスミマセンが
今日、4月14日はラオスのお正月だそうで。
つっても、毎日クソ暑いのに
今日から3日間は正月だからねって言われたって
日本人の私としては全然実感が湧きませんけど。

ラオスのお正月はどんな感じかと言いますと。

水を掛ける。
うん、水。

みんなおかしくなっちゃった?
ってくらい水を掛け合う。

大人とか子供とか偉い人とか関係なくて
みんなビッショビショ。

私はね
今日チャリンコをレンタルしてね
昨日来たばかりのサワンナケートの町をね
ただ観光したかっただけなんだけど。


チャリンコをこぎだしたら
道の脇から若者たちがニコニコしながら出てきまして。

若者「ハイ。ちょっと止まってねー。」

私「なんすか? 検問すか?」

若者「すぐ終わるから、じっとしててねー。」

若者二人に両腕を掴まれ、
もう一人の若者が私の顔に白い粉を塗りたくってくる。

私「のぉぉぉ…ぉ……あ…イ、イイ匂い…」

洗い立ての洗濯物の様な
イイ匂いの粉に心を奪われていると

若者「ハイ。次いくよー。」

バケツが3つ出てきて。

私「え?」

頭からザバーッ。

若者「ハイ。あんがとねー。」


チャリンコをこぎ出してわずか1分で

『もう一度宿からコンテニューしますか?』

っていう選択肢が出てくるくらいグッショリ。

そのまま、水を垂らしながら
チャリンコをキコキコこいでいると

オヤジがホースで水を掛けてくる。

私「ちょ!おまっ!俺コンタクトっ!」

って言っても顔を狙ってくる。

反対の道からは子供たちが
ウォーターガンで狙い撃ち。

中にはビニール袋に水を入れて
投げてくる子もいて。

えと。その水はどうして赤色なの?
っていう疑問も解決しないまま当てられる。
なぜか温かい。

それ絶対ドロ水だよね?
っていう水も掛けられる。

トラックの荷台に巨大なバケツを載せ
追い抜くときに上から水が降ってくる。

そしてまた検問で止められる。

うん。
楽しいんだけどね。

ただ私は観光したかっただけなんだよね。

2011年4月23日

ラオス入りました。



ラオスで一番行きたかったところ
「デット島」

朝日を見ながら島を散歩して
ハンモックで二度寝する。

子供と遊んで、
ハンモックで三度寝する。

夕日を見て、
ビール飲んで寝る。

最高っす。

2011年4月20日

コンチアム



行ってきました
コンチアム。

えーとですね、
何もない小さな町ですけど。

でも

市場へ行けば、おばちゃんと仲良くなり。

タクシーのドライバーと、顔見知りになり。

町を歩けば、宿のスタッフと会い。

飲み屋へ行けば、若者が声をかけてくる。


良い町です。

2011年4月19日

本に載っていない町



ラオスに行こう。

と。

ウボンラチャターニーから
国際バスが出ているらしく、
超簡単に、しかも超快適に
行けちゃう訳です。

便利になったもんすね。

チケットを購入しようと
窓口のオバハンに
魔女宅のトンボばりに
「くーださいなっ」
って言ったんですけど。

事務作業をしながら
私の顔も見ずに一言。

オバハン「フル」

すでに満席っていう。

私「んじゃね。次の便のチケット くーださいなっ」

オバハン「次はPM3時30分発。販売は午後から。」

現在AM9時です。

ですよねー。
やっぱ超簡単とかって、マズイっすよねー。

6時間30待ち。

白目剥いて待ってたら
出発する頃には戻らなくなっちゃうよね。

という訳で
ラオス行きを少しのばして
近くにある小さな町を訪ねることに。

あ。
スミマセン、タイトル誇張しすぎました。
載ってました。少しだけ。

ガイドブックに45行載っている町
「コンチアム」

行ってきます。

2011年4月17日

世界の車窓から



いやね。
海外って何が起こるか
分からないじゃないですか。

やっぱり余裕って大切かなって。

タイ北部からバンコクまで戻ってきて
今日ウボンラチャターニーまで
バスで行くのですが。

余裕を持ってバスターミナルまで行ったら
出発の4時間前に到着しました。

早すぎたっ。 笑

やる事も無いので
4時間白目を剥いて過ごしましたけど。

初日にipodが壊れたので、
バスが出発すると同時に
「世界の車窓から  14時間スペシャル」
が強制的に始まります。

頑張って参ります。

笑顔2


とても小さな村を訪れました。
笑い声が溢れている村でした。

子供たちが一台の自転車で遊んでいました。
その自転車は、タイヤはパンクしていて
サドルは無く、ブレーキは壊れ
チェーンは外れていました。

その自転車を坂の上まで引いて行き、
股がって降りてくるという遊びをしていました。

一人一人交代で、
順番に何度も繰り返していました。

キャッキャ キャッキャと笑っていました。

2011年4月12日

メーサローンへ5

もしかしたら…
身ぐるみ剥がされるかも…。

悪い予感が頭をよぎった。

荷物は車の荷台の上にあり、
すぐに手が届かない。
そして自分自身も前の座席の
背もたれを倒さないと
車の外へは出られない状態だった。

そして、逃げたところで
ここが一体どこなのか
全くわからなくなっていた。
これからどうすれば良いのかを考えたが
今走っている道を
覚えておくことしかできなかった。

その間にも車はどんどん山道を進み、
ミットに代わって今度は
ネェが色々と話しかけてきた。

ネェはこれから行くという
タイビレッジの事を案内すると言っている。
一応ネェに返事はするが、ほとんど上の空で
窓の外の景色を必死に覚えていた。

30分くらい走り、一つの小さな村に入った。

村に入った後も
運転しながらネェが
「あれはテンプルだ」とか
「これがポリスステーションだ」など
色々話しかけてきた。

そして

車は減速し、左折した。
どうやら目的地に着いたようだった。

ネェ「俺たちはここで働いてるんだ」



う、うん。
なんか…学校みたいだよね…。



アスファルトの道を挟んで
左手に校舎らしき建物があり、
右手に職員室のような建物がある。

職員室らしき建物の前で車が停車した。
ネェとミットが先に降り、
助手席の背もたれを倒して
私は後から一人降りた。

ミット「原付を借りてくるから10分待っててくれ」
と言い残し、ミットはどこかへ行ってしまった。

職員室の様な建物の中から
ネェ「Come in」
私が少し警戒しながら建物の中を覗いていると
ネェ「Come in! Come in!」
と言うので

サンダルを脱いで
ゆっくり建物の中に入った。
ネェが冷蔵庫から水を出し、
コップに注いで渡してくれた。

建物の中には若い女性が一人いて、
ネェと楽しそうに会話している。

そして
外からおばちゃんも一人建物の中に入ってきた。

みんなで談笑してるけど…
なんか…



結構良い雰囲気ですよね。



まだもらった水に口をつけていなかったが、
ネェが「コーヒーいる?」と聞いてきた。

水があるから大丈夫と言ったが
5分後にネェがコーヒーを渡してきた。

ネェ「This is ネスカフェ!」
自慢げな顔でネスカフェのパッケージを見せてくる。

私「お、おぉ…」

外からエンジンの音が聞こえたので見ると
ミットが原付に乗って戻ってきていた。

ミットが「レッツゴー」と言うので
コーヒーを全て飲み、
荷物を背負って建物を出ようとすると
ネェが「ウォーター」と言ってきた。
水も飲んで行けということなのか?

ネェは私のバックからぶら下がっている
ほとんど空のペットボトルを指差した。

そしてそのほとんど空の
ペットボトルをバックから剥がし、
冷蔵庫に入っている冷たい水を入れてくれた。

そして
ネェ「Thank you ! Have a nice day !」
と笑顔で私に言った。
疑ってしまったことをとても後悔し、
ネェに何度もお礼を言い、しっかり握手をした後、
ミットの後ろに股がった。

そして…
ミットと私と私の20kgを越える荷物を乗せた原付は
トロトロと走り出した。

多分、完全に重量オーバーだったと思う。
全然スピードも上がらないし、少しミットも運転しづらそうだった。

アップダウンがかなり激しいこの辺の道では
上り坂になると原付が今にも止まりそうになる。

私は何度も坂の上まで歩くよとミットに伝えたが、
ミットは原付のメーターあたりをペシペシと叩いて
「コイツはスーパーパワーだから大丈夫!」と言い、
下ろしてくれなかった。

何台もの原付や車に追い越され、
二人で笑いながら「Fighting! Fighting!」と原付を応援し、
途中で脇道に入って停まったので、村に着いたのかと思えば
ミットが「フォト!フォト!」と言って景色の良い場所で
停まってくれたりした。

タイビレッジからゆっくりと1時間ほど走り、
私はメーサローンへ着いた。




左がネェで、右がミットです。



メーサローンの風景です。

2011年4月6日

メーサローンへ4



乗客はまだ
私とタイ人の二人だけだった。

出発の時間を不安に思っていると
バックパックを背負った夫婦がタクシーに乗り込んできた。
二人とも私より年上な様だった。
顔は日本人とも韓国人とも思える顔立ちだったので
少し様子を伺っていると、
二人が日本語で話しだしたので、話しかけてみた。
久しぶりの日本語の会話がとても嬉しかった。

会話に夢中になっていると
いつの間にか人数は集まっており
タクシーはオールドバスターミナルへ向けて出発した。

ターミナルへ着き、てゆか戻ってきたんだけど
二人と別れた後、バスもすぐに見つかった。

人数が集まるとバスは動き出し、
料金を受け取りに来た乗務員にお金を渡すと同時に
バーン・パサーンに着いたら教えて欲しいと伝えた。

1時間くらい走っただろうか。

乗務員が私に向かって
「メーサローン!メーサローン!」
と叫んでいる。

どうやらここがバーン・パサーンで
ここからメーサローンへ向かうようだ。

乗客でいっぱいの通路をかき分けて
なんとかバスを降りる。
バスの外へ出ると、預けておいた
私の荷物だけがぽつんと外に出されていた。

バスを降りたのは私だけだった。
乗務員にお礼を言い、バスを見送った。

荷物を背負い、
この近くから出ているであろう
乗り合いタクシーを探した。

少し歩くと屋台の一角に
タクシーが停まっているのを見つけ、
その側でタイ人が座って談笑している。

一人のおじさんに近づき、
乗り合いタクシーを指さして
「メーサローン?」と聞いてみる。
おじさんは「Yes」とにこやかに答えてくれ、
続けて「Wait」と言った。

「みんなメーサローンへ行くの?」
と聞いてみると、おじさんは首を横に振った。

メーサローンへ行くのは私だけだった。

後ろにある売店でコーラを買い、
売店の前に荷物を降ろし、
自分も地面に座った。

多分だけど…
メーサローンへ行く人は
あまり多くないと思う。

タクシーの人数が集まるまで
どれくらい待つことになるのか…。
もし人が集まらなかったら
高い料金でタクシーを
チャーターしなくてはならない…。

気長に待つことを覚悟した。

地面に座ったままでいると
一人のタイ人の男性が
「こっちに来て椅子に座りなよ」
と言って手招きをしてくれた。

何もやることがなかったので
彼のそばまで行き、椅子に腰掛けた。

彼の名前はミット。
年齢は35歳。だったと思う。
職業は教師をしていて、
前はチェンラーイの学校で教えていたけれど
これから3ヶ月間はメーサローンの近くにある
タイビレッジという村の学校で
教えることになったらしく、
これから村まで行くところらしい。

お互い片言の英語で自己紹介をすませると
彼は私が持っていたガイドブックを手に取った。
日本語の本に興味があるようだった。

一通り見た後に
タイの地図が載っているページを開いて
どうやってここまで来たの?
ここは行ったの?
など質問攻めが始まった。

しばらく話した後、
ミットは近くにいたタイ人と何かを話し、
椅子から立ち上がった。

そして私に
「一緒においでよ」
と言ってきた。

どういうことだろう。
乗り合いタクシーはここで停まっていて
人数待ちのはずなんだけど…。

どこへ向かうのか尋ねると
彼は「Next Station !」と笑顔で答えた。
なんとなく…
彼は悪い人じゃない様な気がしたので
私も荷物を背負い彼と歩きだした。

そして…

3分くらい歩いたところにある売店で立ち止まった。
どうやらここがNext Stationのようだった。

私には移動した意味が全く分からなかったけど。

さっき背負ったばかりの荷物をまた降ろし
椅子に座って待っていると

なぜか…

乗り合いタクシーが来て、売店の前で停まった。
そしてミットが運転手と何かを話しをしだした。

不思議に思っているとミットが
「カモン!カモン!」と私を呼んだ。
え?と思いながらも荷物を急いで背負い、
乗り合いタクシーに乗り込んだ。

タクシーの中には既に3人程、タイ人が乗っていた。
ミットは地元のタイ人と何かを話している。

タクシーはどんどん田舎の中へ入って行き、
景色も今までのタイの風景とは全く違うものだった。
最初はなだらかな道だったが、次第に起伏が激しくなり
徐々に山の上へ向かっていることを感じた。

小さな村の側でタクシーが停まった。
そしてミットがタクシーを降りることを教えてくれた。
そして「Next Station !」と言っている。

どうやらここでまた
別の乗り合いタクシーに乗り換えるようだ。

荷物を降ろし、二人で並んで腰掛けた。
次のタクシーを待つ間、この小さな村が
アカ族の村だということを教えてもらったり、
ミットが行くというタイビレッジのことなどを話した。
色々詳しいからここは初めてじゃないのかなと思っていると

ミットの携帯が鳴った。

けれど
なぜか浮かない顔をして出ようとしなかった。
それがなんとなく不自然な感じだった。


少しすると一台のピックアップトラックが
私たちの前を通った。
乗り合いタクシーではなく、地元の人の車だ。
ミットがトラックを止めて運転手と話をしている。

メーサローンまでの道を聞いてくれているのか?

すると

ミットが「カモン!カモン!」と呼んでいる。

まさか…

この地元の人の車に乗るのか?
ミットが私の荷物を持って先に
ピックアップトラックの荷台に乗り込んでしまったので
私も一緒になって乗り込む。

そして車は出発した。
ピックアップトラックの荷台は風が当たり
とても気持ちが良かった。
車に乗ると、ミットは誰かと電話をしだした。
さっきの電話の相手とは別の相手なのか?

しばらく車は山道を走り…

ピックアップトラックはY字の交差点で停まった。
ここはどこだろうか。
荷物を降ろし、お金を払おうとすると
ミットが払わなくて大丈夫と言うので
運転手のところまで行き、お礼を言った。

たまたま同じ方向だった為、乗せてくれたのだろうか?

そしてミットは「Next Station !」と言っている。
またヒッチハイクをするのかと思っていると、
ミットが歩き出した方向に一台の古い
ピックアップトラックと、男が立っていた。

男の肌は浅黒く、ティアドロップの真っ黒なサングラスをかけ、
白いタンクトップ姿だった。

ミットは彼の事を自分の友人だと言う。
軽く挨拶をして、私の荷物を荷台に乗せ
私は狭い後部座席に乗りこんだ。
助手席にミットが乗り、
サングラスの男が運転席に乗り込んだ。

そしてサングラスの男が自己紹介をしだした。
彼の名前はネェという。
本名はナターシャだが、ニックネームはネェだと言う。
ミットの事を友人だと言い、同じように教師をしていると言った。

そしてこのY字の道路を左に行けばメーサローンで
右に行けばタイビレッジだと言い、
先にタイビレッジへ行った後でミットが原付で
メーサローンまで送るからと言い、
車はタイビレッジへ向けて進みだした。

ミットがさっき電話で話していたのはネェだったのか?

ミットとネェはとても楽しそうに話しをしている。
タイ語なので私には全く理解ができないけれど。

久々に会ったから盛り上がっているのか?
それとも…
一瞬、悪い予感が頭をよぎった。


あれ?


これって…


ダメなパターンじゃないすか?

つづく

2011年4月5日

メーサローンへ3



重い荷物を背負って歩道を歩いて行く。
まだ午前中なのにじっとりと汗が出てくる。
今日も暑くなりそうだ。

オールドバスターミナルに到着し、
乗り合いタクシーを見つけて
ニューバスターミナルまで行くかどうかを
確認して乗り込む。

どうやらこの乗り合いタクシーも
人数が集まらないと出発しないようだ。
しばらく待って人数が集まると、
運転手が乗客からお金を受け取り
タクシーは黒い煙を出しながら出発した。



10分程走り
ニューバスターミナルへ到着した。

タクシーを降り、荷物を背負って
バーン・パサーン行きの窓口を探す。


けれど…
バーン・パサーン行きの窓口なんてどこにも無いよねっ。


もうさっぱり分からないので、
目の前にあった窓口でおばちゃんに尋ねてみると
ターミナルへ出てグリーンのバスに乗っちゃいなよ。
と言われた。


だからターミナルへ出たんだけどね…
グリーンのバスなんてどこにも無いよねっ。


もう一度確かめるために
先ほどの窓口へ戻り聞き直してみる。
おばちゃんは飽きれた顔で、
「だから20番のターミナルだってば」
と言うので歩いて行ってみると…

そこにはバスではなく
先ほど乗って来た
乗り合いタクシーが停まっていた。

えーとですね。
どゆこと?

バスのスペースに間違えて
タクシーが停まっているのか?
タイはいい加減な事も多いので
考えられなくもないけど。

タクシーの近くのベンチに
運転手らしきオッサンが
ダルそうに座っているので

私「バーン・パサーン?」

と聞くと

運転手「Yes」

と答え、10人集まるまで待てと言う。

ちなみに今何人集まっているのかと聞くと
まだ私だけらしく…
今すぐ行きたいなら
300バーツ(約900円)でどうだい?と聞いてくる。
運転手はニヤニヤしている。

いやいやいや。
私知ってるんですよ?
バスで行けることも、
バスなら25バーツ(約75円)で行けることも。
完全にふっかけてますよね?

この運転手は当てにならないと思い
笑顔で断って、また別の窓口で
バーン・パサーンの事を聞いてみる。

するとなぜか
「え? 何? バンパ? は?」
みたいな顔をされた。

もう一体なんなんすか…。
行く人が少ないから知らないのか?

すると後ろから
「バーン・パサーンへ行きたいの?」という声がした。
振り返ると、タイ人の女性が一人立っていた。
続けて女性は、バーン・パサーンはここからでは行けないと言う。



え?
マジすか?
試合終了ですか?



女性は続けて
「バーン・パサーン行きのバスは
  オールドバスターミナルから出ているのよ」
と言う。


あー私間違っちゃってたわけですか。
ただ無駄にニューバスターミナルまで来ちゃったわけですか。


つーか
昨日のオッサンに聞いた時は
ニューバスターミナルからじゃないと
ダメだと言っていたのに…。

女性の言っていることが本当かどうかを確かめる為に、
また別の窓口へ行き、確認してみる。

一体どんだけ窓口まわってるんすか…。
そして女性と同じことを言われる。笑


あ。
もしかして一番最初に聞いた窓口のおばちゃんは
20番のターミナルからタクシーに乗り
オールドバスターミナルまで戻り
そしてグリーンのバスに乗れということだったの?

タクシーのオッサンも
オールドバスターミナルまで行くという意味だったの?


ただ私の英語力が乏しいだけだったの?


こうゆう時、もし二人だったら
「間違えちゃったっ!テヘッ!」なんて言えるけど
一人しかいない私は、もうため息しか出ないよね。

再び20番のターミナルまで戻り、
先ほどの運転手にオールドバスターミナルまで
行くかどうかを確認すると
ニヤニヤしながら「Yes」と言う。

乗客はまだ2人しかいない。
いつまで待てば出発するのか…。

つづく